研究概要 |
1.従来気道分泌は,粘膜上皮の杯細胞,粘膜固有層の腺細胞によりおこなわれているとされてきたが,気道上皮を構成する細胞の多くは繊毛細胞であり,その異常は上・下気道を問わず気道の病態形成に重要な役割を果たしていると考えられる。抗ヒトCFTR(cystic fibrosis fransmembrane regulator)抗体を用いて免疫組織化学的検索をおこなった結果,腺細胞だけではなく,繊毛細胞管腔側に存在していることを確認した。 2.次に,繊毛運動が保たれたモルモット気管上皮細胞を単離した状態で,正立鏡筒上下型のノマルスキー微分干渉顕微鏡を用い標的細胞を確認しながらパッチクランプを適用し繊毛運動のビデオ記録と同時にホールセルレコーディングが可能なシステムを開発した。 3.2.のシステムを用い,B刺激およびATPにより活性化されるクロライドチャネルが気道繊毛上皮細胞に存在していることを証明した。また,この両者が14員環マクロライド剤により抑制されることを発見した。
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