研究課題/領域番号 |
09671781
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉田 晃敏 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70125417)
|
研究分担者 |
森 文彦 旭川医科大学, 医学部, 医員
小笠原 博宣 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00177106)
廣川 博之 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30133838)
|
キーワード | 糖尿病 / 網膜血流 / 血液網膜柵透過性 / レーザードップラー / フルオロフォトメトリー / 一酸化窒素 |
研究概要 |
1. レーザードップラー眼底血流計システムによる網膜循環の生理変化の検討 レーザードップラー眼底血流計システムを用いたネコ網膜血流量の測定法を新たに開発した。このシステムはネコ網膜動静脈の血管径、血流速度、血流量を同時に測定可能で、CV値は5-8%と高い再現性が得られた。また、このシステムを用いて、酸素分圧の増減による網膜血流量の変化を検討した。高酸素負荷により、網膜血流量は動脈で48%、静脈で43%減少した。それに対し、低敢素負荷により、網膜血流量は動脈で63%、静脈で90%増加した。酸素分圧により網膜循環は調節されることが示唆された。 2. 血管新生因子および血管作動性物質の網膜循環への影響 ネコの硝子体に薬物を注射し、endothelin(ET)-1、vascular endothelial growth factor(VEGF)の網膜血流量への影響を検討した。VEGF投与により網膜血流量は動脈で32%、静脈で28%増加した。ET-1投与により網膜血流量は動脈で34%、静脈で38%減少した。 ET-1およびVEGFが網膜循環に影響を与えると思われた。 3. 糖尿病ラットを用いた血液網膜柵透過性と網膜内の一酸化窒素合成酵素(NOS)の発現の検討 vitreous fluorophotometryを用いて、糖尿病ラットと正常ラットの血液網膜柵透過性を比較した。糖尿病ラットの血液網膜柵透過性は正常ラットの1.8倍と増加していた。さらに、in situ hybridizationとimmunohistochemistryにより、糖尿病ラットと正常ラットの網膜におけるNO synthaseの発現の変化を比較した。網膜内層において、糖尿病ラットでは正常ラットに比較して、NOSの発現は増加していた。糖尿病網膜の血液網膜柵透過性の変化はNOSの発現が関与していると推察された。
|