1.実験的角膜屈折矯正手術モデルの作成 白色家兎を麻酔し、その角膜に対してradial keratotomy(RK)をヒトに準じて施行した。まず、光学部および切開部に相当する上皮面を専用のマーカーでマークした。次にRK用ダイアモンドナイフを用いて、8本の放射状切開を置いてRKを作成した。RKの深さが一定になるように試みたが、方向によりブレが生じ工夫が必要と思われた。手術後、1日、2日および3日の角膜を細隙燈顕微鏡で観察し、角膜に切開線が淡く形成されたのを確認した。その上で眼球を摘出し、以下の解析の試料とした。 2.組織学的検討 はじめにヘマトキシリン-エオジン染色を行い、光学顕微鏡で実験的角膜屈折矯正手術を施行した家兎角膜の形態学的特徴を観察した。RKを施行した部位に一致して、プラグ状に角膜上皮が増殖しており、また角膜実質細胞もこれを取り囲むように増殖していた。次に、70kDストレス蛋白に対する抗体を用いた免疫組織化学的検討を行い、その局在を検討した。すなわち、70kDストレス蛋白に対するマウスモノクローナル抗体を1次抗体とし、蛍光抗体法による免疫組織化学法を行った。また、アポトーシスに関しても検討を試みた。アポトーシスに伴うDNA fragmentationの検出をTUNEL法にて行い、角膜組織における発現を検討した。
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