研究概要 |
角膜上皮でのtight junctionの形成と上皮のバリアー機能との関係 正常では電子顕微鏡的にtight junctionが存在する部位に一致して角膜上皮最表層およびその下1層の上皮細胞間に認められ、その部位とほぼ一致してOccludinさらにZO-1の表現が認められた。正常時Occludin,およびZO-1が表現されtight junctionが存在しているものではカルボキシルフルオレセインを用いたanteriorfluorophotometryでは非常に低値示し上皮のバリアー機能は十分に機能していた。次に,角膜上皮創傷治癒過程における伸展上皮でのtight junctionの形成およびOccludinの表現について検討した。角膜中央部の7mmの上皮欠損作成後12,24,48時間後では上皮欠損は残存しており,その上皮欠損部へ伸展する角膜上皮先端150μmではOccludinは表現されていなかったが,その伸展上皮の後部の角膜上皮ではOccludinは最表層上皮細胞間で点線がつらなるような状態で表現されていた。ZO-1の表現も同様に角膜上皮先端150μmではZO-1は表現されていなかったが,その伸展上皮の後部の角膜上皮ではZO-1は最表層上皮細胞間で点状に表現されていた。上皮欠損作成後72,96時間後では上皮欠損は消失していた。72時間後の時点ではOccludinの表現は最表層上皮間の表現はすべての表層細胞間での表現はみられなかったが,96時間後ではすべての表層細胞間での表現はみられていた。この表現に一致するように上皮のバリアー機能は72時間の時点では高値を示していたが,96時間後には正常の値に近接しており上皮のバリアー機能は十分回復していることが示された。現在さらに電子顕微鏡にて上皮間のtight junctionの形成についてさらに検討を加えているが,現在迄のときころ、上皮のバリアー機能はOccludin表現tight junctionの形成と一致していることが明らかとなった。
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