研究課題/領域番号 |
09671806
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
大平 明弘 島根医科大学, 医学部, 教授 (00169054)
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研究分担者 |
児玉 達夫 島根医科大学, 医学部, 講師 (60215283)
渋谷 勇三 島根医科大学, 医学部, 講師 (20196455)
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キーワード | oxidative stress / age-related macular degeneration / Ault T-cell leukemia derived factor / Manganese superoxide dismutase / immunohistochemistry / cell culture |
研究概要 |
加齢性黄斑変性症の発生には長期に渡る光照射の影響が原因のひとつとして考えられている。生体には光による酸化ストレスを防御する機構が備わっている。Manganese superoxide dismutase(Mn SOD)は抗酸化酵素のひとつで、superoxide anionを消去する作用を有する。黄斑変性症の発生機序を解明するひとつの手がかりとして、これら抗酸化酵素の光障害時の動態を調べることは有力な基礎データに成り得る。Sprague-Dawley ratを80luxの環境で2週間飼育した後、可視光(1800lux)を24時間照射した。その後、80luxの環境に戻した。照射後、3時間、1、3、7、14日にそれぞれ眼組織における発現するMn SODの局在を調べた。正常の網膜では視細胞内節や網膜色素上皮細胞にMn SODの発現が見られたが、勝者時間、1日後ではこれらの発現は消失した。その後、Mn SODの発現は経時的に再び発現してきた。光による網膜組織障害が14日間ではほとんど見られなかった。視細胞内節や網膜色素上皮細胞に発現するMn SODは光酸化ストレスに対し、防御機構として出現していると考えられる。現在、我々の研究室ではmRNAレベルでのMnSOD発現を解析中である。また網膜色素上皮細胞を培養し、さまざまな酸化ストレスに対する酸化酵素や蛋白の作用を検討している。今後、近い将来に学会、欧米雑誌にてデータの評価を受けることになる。本研究の成果が黄斑変性症の発生機序解明に寄与するものと思われる。
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