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1998 年度 実績報告書

神経堤細胞と眼形成異常

研究課題

研究課題/領域番号 09671810
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

尾関 年則  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60254299)

研究分担者 野崎 実穂  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00295601)
水野 晋一  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90281261)
キーワード眼形成異常 / 神経堤細胞 / レチノイン酸 / マウス胎仔 / 先天異常 / 成立臨界期
研究概要

妊娠マウスにレチノイン酸を投与して、ヒト第一次硝子体過形成遺残の動物モデルを作成することに成功し、さらに、このヒト第一次硝子体過形成遺残は、神経堤細胞の遊走異常によって成立する疾患であることを実験奇形学的に明らかにした。また、その成立臨界期が、マウスでは胎生11日以前であることを解明し、これはヒトでは胎生7週以前に相当することを提唱し、本疾患の予防に繋がる結果を得た。また、神経堤細胞がその重要な構成要素である眼瞼の発生について、マウス胎仔眼瞼におけるヒアルロン酸の経時的検討から、胎生期の一時的な閉瞼にヒアルロン酸が重要であることを解明した。また、小眼球マウスの眼瞼と正常マウスの眼瞼の発生過程のグリコサミノグリカン分子種を比較し、小眼球マウスの眼瞼では、グリコサミノグリカンレベルでの発生の遅れがあることを解明した。
臨床的には、最近16年間に当科でAxenfeld-Rieger症候群と診断された21例を発生病理学的に検討した。男性9例、女性12例で性差はなく、年齢は平均15.4歳、両眼性17例、片眼性4例と両眼性症例が多かった。虹彩実質低形成が6例10眼にみられた。合併眼異常は、強角膜症3例6眼、発育異常緑内障3例5眼、瞳孔膜遺残2例4眼、小眼球2例3眼など、合併全身異常は、歯牙異常9例、顔面形成異常5例、Alagille症候群3例がみられた。本症候群に合併した眼および全身異常は、すべて神経堤細胞の発生異常であったことから、本症候群では神経堤細胞由来の全身異常を検索することが重要であることを明らかにするとともに、本症候群が神経堤細胞の発生異常であることを臨床的に証明した。
今後、マウスを用いて眼正常発生ならびに眼先天異常の成立過程を、神経堤細胞とプログラムされた細胞死(アポトーシス)の面から解明し、ヒト眼先天異常の予防につながる研究を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hironori Ozeki: "Critical period for retinoic acid-induced developmental abnormalities of the vitreous in mouse fetuses" Experimental Eye Research. 68・3(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Hironori Ozeki: "Associated anomalies of Axenfeld-Rieger syndrome" Graefe's Archives Clinical & Experimental Ophthalmology. 237・3(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] 野崎実穂: "小眼球症マウスの眼瞼発生過程におけるグリコサミノグリカンの組織化学的検索" 日本眼科学会雑誌. 103・6(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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