研究概要 |
ICG螢光造影法による加齢性黄斑変性における脈絡膜新生血管に関する研究 脈絡膜新生血管のICG螢光造影所見を基にして分類を行い,それぞれの分類における自然経過における視力予後を検討した.その結果,ICG螢光造影において過螢光をしめし,螢光色素の漏出を伴う脈絡膜新生血管を伴う加齢性黄斑変性例では視力予後が不良であった. 光化学治療による新生血管の閉塞治療 中心窩下または中心窩近傍の脈絡膜新生血管の治療は,レーザー光凝固治療では神経網膜を損傷することから自ずから限界があり、さまざまな治療法が試みられている.そこで,熱発生を伴わない光化学治療を脈絡膜新生血管閉塞に応用する目的で実験的研究から始め,臨床応用を目指している.現在,臨床で使用されているヘマトポルフィリン誘導体、フォトフリンIIは体内への残留時間が長く眼科的治療には適さないので,排泄の早い第2世代のATX-S10を用いて,角膜新生血管や脈絡膜新生血管の閉塞実験を行ってきた.その結果,正常の血管にはほとんど影響を与えずに,新生血管を選択的に閉塞する可能性があることが明らかとなった.今後さらに詳細な検討を加えて,近い将来には臨床応用が行える予定である.
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