研究概要 |
ICG螢光造影所見から見た加齢性黄斑変性視力予後について 脈絡膜新生血管のICG螢光造影所見を基にして分類を行い,それぞれの分類における自然経過における視力予後を検討した.その結果,ICG螢光造影において過螢光をしめし,螢光色素の漏出を伴う脈絡膜新生血管を伴う加齢性黄斑変性例では視力予後が不良であった. また,ICG螢光造影による脈絡膜新生血管の所見から,type1;後期螢光漏出を伴う境界鮮明な過螢光,type2;後期螢光色素漏出を伴わない境界鮮明な過螢光,type3;境界不鮮明な過螢光,type4;過螢光なし,の4型に分類した.type1が最も視力低下の危険が高かった.これに反して,螢光色素漏出を伴わないtype2,3,4,の3型では危険度は増加していなかった.したがって,ICG螢光造影は加齢性黄斑変性症の視力予後の判定に有効であった. 高度視力低下を来した滲出型加齢性黄斑変性症例の検討について 経過中6段階以上の視力低下を来したのは,自然経過例で14.8%,レーザー治療例で15.5%であった.レーザー治療による中心窩網膜機能障害,新生血管診断の不備,斑状過螢光と限局性過螢光の混在病巣に対するレーザー治療方法の是非などが反省点としてあげられた.
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