研究課題/領域番号 |
09671812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三木 徳彦 大阪市立大学, 医学部, 教授 (90047077)
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研究分担者 |
河野 剛也 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40215190)
尾花 明 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (40194625)
白木 邦彦 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (40162771)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 加齢性黄斑変性 / インドシアニングリーン蛍光造影 / サブトラクション法 / 脈絡膜循環 / 脈絡膜新生血管 / レーザー治療 / 色素増強光凝固 / 光化学治療 |
研究概要 |
加齢性黄斑変性の診断において最も重要なのが、脈絡膜新生血管の検出である。一般的には、脈絡膜新生血管に対してレーザー光凝固を行うが、光凝固による効果を知るために、脈絡膜新生血管を放置した場合の予後について視力予後の観点から検討した。その結果、ICG蛍光造影で過蛍光を示し、蛍光色素漏出を伴った脈絡膜新生血管例では不良があった。一方、過蛍光を示しても傾向色素漏出を伴わなかった例、境界不鮮明な過蛍光例では視力低下の危険度は増加していなかった。色素少量急速静注法によるICG蛍光造影検査法を用いると、循環の遅延している病的血管のみが比較的明瞭に造影されることが判明した。したがって、循環の遅延している脈絡膜新生血管の検出に有用であると考え、加齢性黄斑変性の症例において検討中である。さらに、連続サブトラクション法を併用することにより、より明瞭に新生血管を検出できるものと検討している。6ヶ月以上経過観察できた症例について検討した。6段階以上視力低下したのは、自然経過例では14.8%、レーザ治療例では15.5%であった。その原因としては、レーザー治療法による中心窩網膜機能障害、新生血管診断の不備があった。斑状過蛍光と限局性過蛍光の混在病巣に対するレーザ光凝固方法については再評価が必要である。 また、新しい光凝固法として、色素増強光凝固を行った。その結果、米国のMPS(Macula Photocoagulation Study Group)の成績と比較して、再発も少なく良好な成績が得られた。とくに、網膜下出血例、光度滲出性病変例、網膜色素上皮剥離例に有効であった。しかし、中心窩下新生血管例では、やはり視力予後は不良であったから、光力学(化学)治療を導入すべく、第2世代光感受性物質(ATX-S10)を用いて基礎的実験を終了し、非常に良好な成績が得られたので、臨床応用が待たれる。
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