研究課題/領域番号 |
09671820
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
澤 充 日本大学, 医学部, 教授 (40010475)
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研究分担者 |
寺田 久雄 日本大学, 医学部, 助手 (00267072)
岩田 光浩 日本大学, 医学部, 助手 (50193751)
加島 陽二 日本大学, 医学部, 講師 (70194719)
崎元 卓 日本大学, 医学部, 教授 (70111515)
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キーワード | 角膜 / 移植 / 中期間保存 / ヒト / 内皮細胞 / スペキュラーマイクロスロープ / 組織培養液 / コンドロイチン硫酸 |
研究概要 |
わが国には強角膜保存を目的とした保存液がないため、必要に応じて保存液を輸入しているのが現状である。今回我々は新しい強角膜保存液を開発し、家兎角膜およびヒト角膜を用いて角膜内皮細胞への影響について組織学的検討を行った。保存液として、MEMアルファ培地を基本溶液としNaHCO_3、HEPES、コンドロイチン硫酸、ゲンタマイシン、リン酸αトコフェロールを主な組成とする二種髄の組成液(保存液I、II)を検討対象とし、OPTISOL-GS^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>(Chiron Intraoptics、米国)との比較検討を行った。保存液I、IIはコンドロイチン硫酸の分子量以外は共通成分となっている。白色家兎強角膜片作成後各保存液に浸し、4日、7日、10日、14日目の強角膜片内皮細胞について、またヒト角膜については、米国で強角膜片作成後保存液IおよびOPTISOL-GS^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>に浸し、5日、10日、14日目の強角膜片内皮細胞について光顕、走査型および透過型電顕を用いて組織学的に検討した。家兎では、保存4日目までは各保存液とも内皮細胞は良好な状態に観察された。保存7日目以降になると、保存液IIでは走査電顕において、内皮細胞の核が前房側へ膨隆している所見が見られたが、透過電顕では細胞内小器官は比較的良好に保たれていた。保存14日目では特に保存液IIにおいて、走査および透過電顕で内皮細胞表面が波打った様に不整となり、内皮細胞内には空胞がみられ、一部では細胞が破壊している所見が認められた。またヒトでは、多少の個人差は見られたものの、各保存期間において両保存液間に大差は見られなかった。保存液Iの様に比較的単純な組成の保存液でも、OPTISOL-GS^<【.encircled?.】R【.encircled?.】>とほぼ同等な角膜内皮細胞のviabilityが維持される可能性が示唆された。
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