研究課題/領域番号 |
09671821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 一之 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60004850)
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研究分担者 |
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60260840)
小島 正美 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40183339)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 白内障 / 水晶体鮫肌 / IgE / ステロイド / 前眼部画像解析 / NC / Ngaマウス |
研究概要 |
I)臨床検討:金沢医科大学病院皮膚科を受診した軽症例を含んだアトピー性皮膚炎患者155例、310眼を対象に患者の背景を水晶体病変につき検討した。(1)明らかな白内障は20例(10.3%)あったが、潜在病変も6例、(7%)にみられた。(2)食物アレルギー、顔面発赤、ステロイド投与の有無、眼部叩打癖等既往より白内障の発現は予測困難であったが、前記諸因子が白内障混濁を促進させる可能性が推測された。(3)IgE値は涙液、血清共に多くの症例で高値を呈したが、白内障初期病変発現および水晶体混濁の程度との間に相関は認められなっかた。(4)水晶体の前眼部画像(前眼部画像解析装置、スペキュラーマイクロスコープ)解析は、アトピー性白内障の初期又は潜在病変検出の有効であった。 II)動物モデルでの検討:アトピー性白内障の動物モデルはこれまでにないが、皮膚炎モデルとして最近NC/Ngaマウスが話題となっている。皮膚炎はコンベンショナルな環境下で毛モチダニの存在下に起こることは確認したが、本年度は他施設で既に皮膚炎を発症した。7ケ月齢の本マウスの水晶体を生体下、顕微鏡下に観察した。生体下には8匹中7匹に何らかの水晶体混濁所見がありこれを記録したが、中には混濁病型がヒトアトピー白内障に類似するものもあった。また、一見正常に見えた水晶体でも病理組織学的には水晶体線維細胞の病的変化が確認された。
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