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1997 年度 実績報告書

HIV-1感染T細胞クローンを用いた前房水によるサイトカイン発現抑制機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09671825
研究種目

基盤研究(C)

研究機関久留米大学

研究代表者

小野 綾子  久留米大学, 医学部, 助手 (30224265)

研究分担者 渡邉 俊樹  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
疋田 直文  久留米大学, 医学部, 助教授 (80173152)
吉村 浩一  久留米大学, 医学部, 講師 (30240352)
望月 學  久留米大学, 医学部, 教授 (10010464)
嶋田 伸宏  久留米大学, 医学部, 助手 (10268922)
キーワードHTLV-1 / ぶどう膜炎 / 前房水 / サイトカイン / 免疫抑制因子
研究概要

年次計画に基づいた下のような結果を得た。
(1)房水によるサイトカイン産生抑制作用の解析:
HU患者前房浸出細胞由来のHTLV-1感染T細胞クローン(TCC)およびALT患者末梢血から樹立されたHTLV-1感染T細胞株(Sez)を標的細胞とし、老人性白内障手術時に摂取した前房水によるサイトカイン産生抑制作用を検討した。その結果、前房水は培養系に2%あるいは10%添加すると対照のPBS添加と比較して用量依存的に有意にIL-1α、IL-6及びIFN-γの産生を抑制した。これに対して、TNF-αの培養上清への産生はむしろ促進された対照的な結果を得た。RT-PCRを用いてこれらのサイトカインのmRNA発現量を半定量的に解析したところ、IL-1α、IL-6、IFN-γばかりでなくTNF-αの発現も抑制されていることが明らかになった。以上の結果は、前房水がこれらのサイトカイン遺伝子に対して広く発現抑制作用を持つこと示すと共に、TNF-αの産生増加は、メタロプロテアーゼTACEによる膜型TNF-α分子の切断の亢進による可能性が示された。IL-2,IL-8,GN-CSF,リンフォトキシン等に対する作用は現在解析中である。
(2)免疫抑制因子の物理化学的性状の解析:
前房水に対して、熱、トリプシン、酸、有機溶媒などによる処理を行い、サイトカイン産生抑制活性に対する影響を解析した。その結果、抑制作用は熱処理により失活したが、酸、有機溶媒処理では失活しなかった。3kDa,10kDa,30kDaのメンブレーンフィルターを用いた限外濾過法による分子量の推定を行った結果、いずれの場合にも濾過分画と残留分画の双方に抑制活性が検出された。この結果、想定される抑制活性が分子量の異なる複数の因子で構成される事を示唆した。実際、ゲル濾過カラム(Superose 12HR)を用いたFPLCの画分では、活性は約30-80kD、10kD、5kD,3kD前後の4つの領域にピークを示した。これは前房水のサイトカイン産生抑制作用が少なくとも4つの因子によることを示すものであり、現在これらの因子の実体を明らかにする作業を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ayako Ono: "Immunological and virological characterization of the primary infiltrating cells in the aqueous humor of human T-cell leukemia virus type-1 uveitis" Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.38. 676-689 (1997)

  • [文献書誌] Toshiki Watanabe: "HTLV-1-associated disease" Int.J.Hematol.66. 257-278 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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