研究課題/領域番号 |
09671825
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉村 浩一 久留米大学, 医学部, 講師 (30240352)
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研究分担者 |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
疋田 直文 久留米大学, 医学部, 助教授 (80173152)
望月 學 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10010464)
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キーワード | HTLV-I / ぶどう膜炎 / 前房水 / サイトカイン / 免疫抑制因子 |
研究概要 |
前年度までに得られた知見に基づき、本年度は以下のような結果を得た。 (1) 可溶性Fas ligand(sFasL)が房水中の抑制因子の一つであることの証明: 前年度の実験で、房水の抑制活性は、約30-80kD.10kD、5kD,3kD前後の4つの領域に認められた。30-80kDの分画は、房水中に存在する抑制因子であるTGF-βの分子量に対応するため、その活性を検討したが、全く抑制作用を示さながった。一方、最近、眼組織における構成的なFas Ligand(FasL)の発現が、炎症性細胞のアポトーシス誘導を介して眼の免疫寛容の維持に関与している事が示された。我々は、EHSA法を用いて房水中にsFasLが平均300pg/ml前後の濃度で存在することを明らかにした(杉田他、投稿中)。更に、抗Fas抗体によるクロスリンクおよび我々が作成したHis-tagged sFasLを用いた実験から、以下の事柄を明らかにした。 1、 Fasからのシグナルにより、FN-γの転写が抑制され、蛋白レベルでの発現も抑制される。 2、 sFasLによるサザイトカインの産生抑制は、アポトーシス誘導に必要なレベルより低濃度で認められる。実際、房水中に生理的に存在する濃度(数百pg/ml)で有意な抑制が認められる。 これらの結果は、これまで明らかでなかったsFasLの生理活性を初めて明らかにしたものである(投稿準備中)。 (2) sFasLによるIFN-γプロモーター抑制シグナル伝達系の解析: Fasの細胞内領域にはFADDおよびDaxxと言うアダプター蛋白質が結合し、それぞれアポトーシスおよび種々の活性化シグナルを伝達する。我々はこれらの蛋白質のdominant ncgative体の発現ベクターを用いた解析から、FasシグナルによるIFN-γプロモーターの抑制はDaxxを介していることを明らかにした(投稿準備中)。
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