(1)ヒルシュスプルング病弧発例における、RET、EDNRB、ET-3、SOX10の各遺伝子の遺伝子変異の有無と、病型との関連を検討した。 (2)RET遺伝子、ならびNOS)遺伝子については正常(ganglionic segment)ならびに病変腸管(aganglionic segment)での発現も検討した。 (3)RET遺伝子、EDNRB遺伝子では、約10%の症例でこれらの遺伝子異常が疾患の成立に関するものと思われたが、ET-3遺伝子や、SOX10遺伝子の異常は疾患の成立に関与することは稀であると考えられた。 (4)RET遺伝子異常はlong segment 症例の発生とより関連があることが考えられ、一方、EDNRB遺伝子異常はshort segment症例とより強い関連があるものと考えられた。 (5)遺伝子異常が存在する症例以外でも、発生過程のRET遺伝子の発現異常が疾患の成因に関連しうることも考えられた。 (6)病変腸管でのNOS遺伝子発現低下に低下がみられたが、これはヒルシュスプルング病の病態の本体でもある病変腸管の構成的収縮、を説明するものであると考えられた。
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