研究概要 |
ヒルシュスプルング病腸管の発生には、腸管局所の複合糖質に異常があり神経芽細胞の遊走、発育を阻害している可能性がある。そこで本研究ではヒルシュスプルング病腸管における複合糖質の分布をDSA,ConA,RCA-1,PSA,PHA-L,LCA,WGA,MPAなどのレクチンを用いて検索した。 1. 平成10年度の研究成果 ヒルシュスプルング病根治手術時に得られた正常腸管のレクチン染色では、アウエルバッハ神経叢にDSAが強陽性(++)を示し、ConA,RCA-1,PSA,PHA-L,LCA,WGAが陽性(+)を、MPAが弱陽性(±)を示した。 また無神経節部腸管の筋層間神経叢は神経節細胞は欠如するが、レクチンの反応性は正常腸管と差異が認められなかった。 2. 平成11年度の研究計画 研究最終年度は正常腸管と無神経節部腸管での糖質の局在を電顕的に検索する一方、mutant rat胎児を用い、ヒルシュスプルング病腸管発生期の糖質の変化を検討し、研究の総括を行う予定である。
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