研究概要 |
1.内視鏡下胎仔気管結紮 これまでの実験では内視鏡下に胎仔の気管結紮を行うことが技術的に可能であることが示されたが、72時間以上の胎仔生存を得ることが出来なかった。そこでさらに低侵襲なアプローチとして超音波エコーガイドによる胎児気管の穿刺と硬化剤注入による閉塞を行った。胎仔の生存は最長5日まで延長されたが、気管の閉塞は不完全であり、操作に要する時間も長時間となるため将来の臨床応用にとっては現実的ではないと考えられた。手術操作に要する時間とその確実性、子宮と胎仔に対する低侵襲性を同時に追及する必要があり、1)子宮小切開による胎仔気管の直視下クリッピング2)エコーガイドによる経口的気管内マイクロバルーン留置の二つのアプローチを開始し、経過を追及中である。 2.ラット横隔膜ヘルニア(CDH)モデルにおける成長因子の発現に関する検討 nitrofen投与によるラットCDHモデルにおいて胎生18日および20日の胎仔肺ではKGFRおよびSP-Cの発現の差は見られなかったが、胎生20日のCDH群ではKGFの低下傾向が認められたが、数回の実験から再現性に乏しいことが判明した。そこでnorthern blottingによる定量化を次の目標とした。これまで数回の実験を重ね、β actinのnybridizationには成功したが、胎仔肺におけるKGFの発現は確認できていない。この理由としてKGFの発現の絶対量が低いこと、DNAのcontaminattionなどが考えられ、現在多くの組織からDNAse処理した後にmRNAを抽出し、あらためてnorthern blottingを試みている。この他にKGF,KGFR,SP-CのPCR産物をTA clonong vectorにsubcloningすることに成功し、そのsequenceを確認している。
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