研究課題/領域番号 |
09671849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
脇坂 聡 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
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研究分担者 |
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
永瀬 佳孝 大阪大学, 歯学部, 助手 (50252698)
小川 祐三 大阪大学, 歯学部, 助教授 (10135725)
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キーワード | カルシウム結合蛋白 / 炭酸脱水酵素 / 味蕾 / 歯根膜 / Ruffini神経終末 |
研究概要 |
正常な細胞内にはセカンドメッセンジャーであるCa^<2+>と直接結合することにより構造変化を起こし、機能を発現するカルシウム結合蛋白質(CaBP)と呼ばれる蛋白質が存在している。本研究ではラット口腔・顔面領域におけるCaBPのうちcalbindin D28k(CB),parvalbumin(PV)およびcalretinin(CR)の分布や組織発生との関連を明らかにし、さらにCaBPと炭酸脱水酵素(CA)との関係を明らかにすることを目的とした。さらに、神経損傷や炎症などによる変化を解析し、口腔・顔面領域でのCaBPの機能の解析を試みた。 1)味蕾におけるCaBPとCA IIの分布と発生 舌乳頭のうち有郭乳頭と葉状乳頭の一部の細胞にCBが認められ、それらはいわゆる味細胞(type III cells)であることが分かった。CB、CRのいずれも神線維にも認められた。PVは神経線維、味蕾細胞のいずれにも認められなかった。一方CA IIは有郭乳頭と葉状乳頭の一部の細胞に認められ、これらは支持細胞(type I cells)であった。味蕾の発生および再生においてCB陽性細胞は味蕾が形成あるいは再生してから約10日後に認められた。このことはCBが味覚伝達のみならず味細胞の維持に関与している可能性が示唆された。CA IIは、味蕾が形成される2〜3日前に味覚上皮に認められた。この時期には小唾液腺である舌腺の発生が始まる時期であり、CA IIが味蕾形成のみならず舌腺の形成とも関与している可能性が示唆された。 2)切歯歯根膜Ruffini神経終末におけるCaBPとCA IIの分布 ラット切歯歯根膜には機械受容器であるRuffini神経終末が豊富に分布することが知られている。すでにRuffini神経終末にはCaBPのうちPVが存在することが報告されているが他のCaBPについては不明であった。今回CB、CRおよびCA IIについて調べたところ、いずれもRuffini神経終末軸索終末に認められ、終末Schwann細胞には認められなかった。このことからCaBPが歯根膜Ruffini神経終末の機械受容機構に重要な役割を担っていることが推察された。
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