研究課題/領域番号 |
09671852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹村 元秀 大阪大学, 歯学部, 講師 (70192169)
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研究分担者 |
永瀬 佳孝 大阪大学, 歯学部, 助手 (50252698)
米原 典史 大阪大学, 歯学部, 講師 (70124534)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 一酸化窒素 / NADPH-diaphorase / 三叉神経感覚核 / 口腔感覚 / 体性局在 / 神経再生 / 細胞毒性 / 個体発生 |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)の免疫組織化学法はNADPH-diaphoraseの酵素組織化学法と同一の脳幹内三叉神経核ニューロンを染色した。陽性ニューロンは必要に応じてNOを産出し、cGMPに連動した受容体の感受性を高めると考えられる。正常成ラットではその陽性ニューロンは吻側亜核の背内側(Vodm)、尾側亜核浅層部(VcI/II)に散在した。三叉神経下顎枝である下歯槽神経(IAN)オトガイ神経(MN)舌神経(LN;体性感覚を伝達)と味覚を伝達する鼓索神経(CT)の神経末端にWGA-HRPを取り込ませ、越神経節性に輸送された中枢投射領域を現像し、さらに同切片上でNADPH-diaphoraseを染色した。VodmではNADPH-diaphorase陽性ニューロン分布はLNの投射領域と最もよく重なり、続いてIAN、CT、MNであった。VcI/IIではLN、IAN、MNはよく重なった。よってVodmのNADPH-diaphorase陽性ニューロンは舌や歯髄、歯根膜、歯肉といった口腔内の感覚-運動反射に関与することを示唆した。それに対してVcI/IIでは口腔顔面の疼痛感覚に関与することを示唆した。三叉神経節内に下歯槽神経切断後に発現するNADPH-dが神経の再生にどういう作用を及ぼすかを研究した。下歯槽神経切断後3日目に臼歯歯髄にトレーサーを取り込ませ翌日までに三叉神経節内に輸送された標識ニューロンの数を再生ニューロン数と考えた。神経切断後にNOSのブロッカーであるL-nitro arginine methyl ester(L-NAME)を投与すると再生ニューロン数が有意に減少したことより神経切断後に求心ニューロンに発現するNOが再生を促進する作用のあることを示した。L-NAMEの投与は、足底に起炎剤を投与した後に発現する熱に対する痛覚過敏を減少させるが、普段の疼痛閾値に対しては変化させなかった。よって脊髄後角に慢性疼痛時に発現するNOS陽性ニューロンが疼痛の発現や維持に関与することも明らかにした。
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