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1998 年度 実績報告書

歯牙硬組織形成におけるエナメル蛋白の役割に関する細胞化学的・分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671855
研究機関広島大学

研究代表者

内田 隆  広島大学, 歯学部, 教授 (50150305)

研究分担者 脇田 一慶  広島大学, 歯学部, 助手 (70304433)
キーワードエナメル質形成 / エナメル蛋白 / エナメリシン / EMSP1 / 移行期エナメル芽細胞
研究概要

エナメル蛋白分解酵素であるエナメリシン、エナメルセリンマトリクスプロテイナーゼ1(EMSP1))について、ブタ歯胚及びラット切歯を免疫化学および免疫組織化学を用いて検索し、以下の結果を得た。
1. エナメリシンは,ブタ歯胚のエナメル芽細胞では分化期後期から成熟期前期まで発現しており,46,44kDaの活性化した蛋白として幼若エナメル質中に存在していた。また、これより低分子領域にも免疫活性を持つ蛋白が認められ、エナメリシン自身も幼若エナメル質中で分解されていくことが明らかとなった。
2. 分化期後期のエナメリシンの局在を免疫電顕で調べると、エナメル芽細胞の基底膜が消失し、エナメル基質様のスティプルドマテリアルの出現に次いで、エナメリシンの免疫活性が基質中に認められ、その一部は象牙質基質中にも局在していた。この結果から、エナメリシンはエナメル芽細胞基底膜の消化には関与しないことが明らかとなり、象牙芽細胞もエナメリシンを分泌している可能性が示された。
3. ブタ歯胚では、移行期から成熟期初期にかけてエナメル質最表層で基質形成期より強い免疫活性が認められた。この結果から,移行期は基質蛋白の脱却のために,積極的に機能していることが明らかになった。
4. ラット切歯では,成熟期にも発現が認められるとともに、移行期から成熟期にかけての発現は基質形成期より強いとはいえなかった。また、全ステージを通じてエナメル質表層と深層にほとんど差は認められず、エナメル質の成熟過程におけるエナメリシンの役割は,ブタとラットで異なっている可能性が示唆された。
5. エナメルセリンマトリクスプロテイナーゼ1(EMSP1)は、エナメリシンに比べるとその発現は非常に弱かったが、移行期から成熟期初期にかけてエナメル質最表層で基質形成期より強い発現が認められ、EMSP1も基質蛋白の脱却のために機能していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Uchida: "Synthesis,secrelion,degradation and fate in lormning enamel of sheath protem" Europian Journal of oral Science. 106(Suppl1). 308-314 (1998)

  • [文献書誌] N Dohi: "immunocytochemical and immunochemical study of enamelim.using antibodies agaidst porcine 89 kDa enamelin and its N-termnnal syntehtic peptide.in porcme tooth genns" Cell&Tissue Research. 293(2). 313-325 (1998)

  • [文献書誌] K.Wakida: "Maturation ameloblasts of the porcine tooth genn do not express amelogenm" Histochemistry&Cell Biology. in press. (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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