研究課題/領域番号 |
09671862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
名和 橙黄雄 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (50020748)
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研究分担者 |
藤原 尚樹 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (20190100)
山本 仁 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80265165)
石関 清人 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50057775)
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キーワード | cartilage / cementum / ename-free area / tissue culture / calcification |
研究概要 |
(1)培養軟骨細胞の骨形質発現に関する研究:消失する運命にあるマウス下顎メッケル軟骨を培養すると典型的な軟骨細胞は、小型の球形細胞に転換し、骨基質を形成するようになる。これらの細胞は、培養初期にはtype I collagen,chondroitin sulfate proteoglycanの発現が著名で軟骨細胞としての特徴が保持されているが、培養後期になるとtype I collagen,osteocalcinなどが発現し骨細胞への転換がみられる。さらに、type X collagenとbone morphogenetic proteinの発現からメッケル軟骨は小型球形細胞に形質転換し、これから骨芽細胞に分化する可能性が示唆された。 (2)器官培養による歯根セメント質形成に関する研究:歯根セメント質形成をin vitroで観察可能な器官培養法を確立した。材料はマウス臼歯歯胚を用い、舌側面歯槽骨を除去して根面を露出させ、穴を開けたフイルター上で器官培養を行う。その結果、反対側の非露出面歯根部の三次元構築が良好に維持されて長期間の観察が可能になった。培養28日〜48日の間に有細胞セメント質の新生が認められた。この培養法は歯根形成メカニズム解明の実験モデルとなるもので、歯根形成と種々の生理活性物質との関連などの点から期待される。 enamel-free areaの発現に関する:齧歯類臼歯咬頭頂にみられるエナメル質の欠如した領域であるenamel-free areaの形成は、内エナメル上皮の分化と機能に依存している。enamel-free areaとその他の領域の内エナメル上皮におけるアルカリホスファターゼ活性とアポトーシスについて検討した結果、enamel-free areaの内エナメル上皮は他の領域の内エナメル上皮に比較して発生初期の短期間に分泌型から吸収型の細胞に変化することが判明した。
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