研究課題/領域番号 |
09671876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
吉本 尚 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60084787)
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研究分担者 |
高橋 祐介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20267511)
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20247315)
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キーワード | Porphyromonas / gingivalis / 遺伝子 / フィンブリリン / 線毛 / 形質転換 / fimA |
研究概要 |
1.大腸菌でクローン化されているP.gingivalis 381株の線毛構成蛋白質(フィンブリリン)遺伝子(fimA_<381>)をプラスミドベクターpYH420中にサブクローン化し、P.gingivalisの制限酵素非保有変異株であるYH522を受容菌として電気パルス法により遺伝子伝達を行った。 2.伝達の結果、宿主菌中にfimA_<381>遺伝子がプラスミド状で存在することが確認され、また同プラスミドDNAが回収された。 3.fimA_<381>遺伝子をプラスミド状で保有するYH522株では、SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングにより、フィンブリリン蛋白質が発現されていることが確認された。 上記の株には、電子顕微鏡的観察により、特有の線毛構造物が多量に観察された。その線毛は宿主菌固有の線毛とは形態的に明らかに異なり、長く、また密であった。 5.イムノゴールド法により、前記の線毛構造物が外来遺伝子(fimA_<381>)に由来のものであることが証明された。 6.上記の知見は、歯周病原細菌として広く研究対象となっているP.gingivalis菌への遺伝子伝達の成功、並びにその発現を確認した初のケースである。 7.伝達したのが線毛構成蛋白質の構造遺伝子のみであるにもかかわらず、それにより電子顕微鏡的に可視的な構造物(線毛)の形成が見られたことは興味のあるところである。次年度以降、それに関する詳細な検討を加える計画である。
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