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1997 年度 実績報告書

低カルシウム状態における舌組織の変化に関する免疫組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671883
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福岡歯科大学

研究代表者

藤 英俊  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00047804)

研究分担者 児玉 淳  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (30215280)
中村 隆之  福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60104486)
長門 俊一  福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084284)
キーワード味覚乳頭味蕾 / 免疫組織化学 / ATPase活性 / 低カルシウム / ラット
研究概要

Wistar系雄ラットを用い上皮小体を摘出し,人為的に低Caラット62匹を作った。血清Ca濃度は,実験群の正常平均9.99(±0.4)mg/dlで,上皮小体摘出群は摘出3日目から低下し,1週後で7.26(±0.4)mg/dlと最も低い値を示した。その後,徐々に増加し摘出後5週で7.99(±0.5)mg/dlまで回復した。さらにvitamin D_3の投与を行い,血清Ca濃度の回復を行った。
本年度は,低Ca状態および低Ca状態を正常まで回復したラットの舌乳頭(有郭乳頭・葉状乳頭)味蕾を中心にパラフィン切片と凍結切片を用い,H・E染色,PAS染色,ATPaseの検出を行った。免疫組織化学染色は,PGP 9.5,CGRP,Substance P(SP)染色を行い,下記の結果を得た。
1)PAS染色:低Ca状態になると,摘出2日後から味蕾内にPAS陽性顆粒の出現が見られた。この顆粒は,α-amylaseで完全に消化され,グリコーゲン顆粒であることが確認された。
2)ATPase活性:上皮小体摘出後1週後から活性の低下が一部の味蕾基底部で認められた。ところが摘出5週経過例では,溝上方部の味蕾外形が確認出来ないまでに活性の低下したものが確認された。ところが,vitamin D_3の投与を行い,血清Ca濃度が正常状態に回復したものでは,ATPase活性が正常状態を呈していた。
3)免疫組織化学染色:正常味蕾内にはPGP9.5陽性線維と陽性細胞が存在する外,SP陽性線維と僅かなCGRP陽性線維が存在したが,上皮小体摘出1週目から減少し5週目でこれらの陽性線維や陽性細胞が認められなくなった。vitamin D_3の投与では,全てほぼ正常状態に回復した。以上のことから,低Ca状態では,味覚異常を充分引き起こす可能性があることが分かった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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