研究課題/領域番号 |
09671890
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
織田 公光 新潟大学, 歯学部, 教授 (10122681)
|
研究分担者 |
水野 敞 新潟大学, 歯学部, 助手 (10018426)
高橋 徳也 新潟大学, 歯学部, 助教授 (50018420)
|
キーワード | 低ホスファターゼ症 / 組織非特異的アルカリホスファターゼ / タンパク質の細胞内輸送 / グリコシルホスファチジルイノシトール / 石灰化 |
研究概要 |
ヒトのアルカリホスファターゼには、組織非特異型、組織特異型に属する胎盤型、小腸型、生殖細胞型の合計4種類のアイソザイムが知られており、そのうち骨や歯などの硬組織に発現している酵素は組織非特異型で、肝臓や腎臓にも発現していることから別名肝・骨・腎型酵素と呼ばれる。 組織非特異型酵素は以前から硬組織の石灰化に密接に関係していると考えられ、in vivoやin vitroの実験系において石灰化の指標として広く用いられて来たにもかかわらず、石灰化にどのように働いているのか、その詳しい機構は未だ不明のままである。低ホスファターゼ症は血液中のアルカリホスファターゼ活性が正常値より低い症例で、患者は重症例の骨格形成不全をともなった死産から、軽症例の乳歯の早期脱落、成人での偽骨折や永久歯の脱落まで広範囲の症状を呈することが知られており、いずれも組織非特異型アルカリホスファターゼの遺伝子の突然変異に起因すると考えられている。このように、低ホスファターゼ症は組織非特異型酵素の発現と骨や歯の形成や維持などの石灰化現象との関連を研究する上での自然の実験系と見なすことができる。しかし、これまでの研究は遺伝子上の変異の解析にとどまり、その特定の変異が酵素蛋白質にどのような影響を及ぼすのが検討は皆目なされてこなかった。本研究では、重症例の低ホスファターゼ症で報告された点突然変異により162番目のアラニンがスレオニンに変異した組織非特異型アルカリホスフエターゼをCOS-1細胞に一過性に発現させることにより、変異型酵素の生合成を検討した。その結果、この変異型酵素は活性は保持しているにもかかわらず、小胞体内で高分子量の重合物を形成するために、合成されたタンパク質のごく一部が細胞表面に発現されるに
|