研究概要 |
発現ベクターpBK-CMYのHindIII-NotI部位にマウストロンボスポンジンIcDNA(4.3kb)をライゲーションし,連結部分とcDNAの一部の塩基配列を決定し,正しい向きにin frameで挿入されていることを確認した。この発現プラスミドをTfx-500を用いて,MC3T3-E1細胞にトランスフェクションし,G418耐性で選択して安定に組み込まれて発現している細胞をクローニングした。トロンボスポンジンの発現量をウエスタン・ブロッティングにより検出したところ,過剰発現しているクローンが数株得られた。トロンボスポンジン過剰発現細胞による石灰化能をvon Kossa染色・アリザリンレッド染色により調べたところ,発現量に比例して石灰化が抑制されていることが判明した。一方で,2種類のアンチセンスオリゴヌクレオチドによりトロンボスポンジン1の発現量を抑制すると,MC3T3-E1細胞による石灰化が著しく促進されたことから,トロンボスポンジンは,in vitroでの石灰化に対し抑制的に作用することが示唆された。また精製トロンボスポンジンを培地中に添加しても石灰化の抑制が用量依存的に認められた。次にin vitroでの石灰化能に対する影響を解析するため,アンチセンス処理したMC3T3-E1細胞10^7個をミリポアフィルターでシールした小容器に封入し,SCIDマウスの腹腔に埋め込んだが,石灰化は観察されなかった。この方法では石灰化に必須の成分の供給が十分に行われなかったものと考えられる。現在,改良法を検討中である。
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