研究課題/領域番号 |
09671915
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 太保 北海道大学, 歯学部, 教授 (70124774)
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研究分担者 |
金子 正範 北海道大学, 歯学部, 助手 (10214470)
大森 桂一 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (40125290)
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キーワード | アンケート調査 / 口腔癌 / 中咽頭癌 / 口腔乾燥感 / 放射線治療 |
研究概要 |
放射線による治療は機能と形態を保存できる治療と考えられており、口腔癌にたいしては確立された治療法となっている。しかし、放射線治療後放射線治療にともなう、後障害として顎骨壊死、粘膜潰瘍や口腔乾燥感などが出現する可能性がある。我々は歯科放射線科外来において、医学部附属病院で放射線治療を行った頭頚部悪性腫瘍患者について歯科的に口腔内管理と歯科的治療を行ってきているが、種々の障害についても観察する機会に遭遇している。定期的に来院している患者に対して障害や心理的側面を観察するために40項目程の質問項目を作成し、アンケート調査を行い、検討した。アンケート方法は診察待ち時間に記載してもらう方法でおこなった。現在まで38名41回(3名は2度アンケートを行っている)のアンケートが集計された。部位としては中咽頭が最も多く12人(14回)ついで舌7人、上咽頭5人の順となっておりその他の口腔、上顎、頚部腫瘤、悪性リンパ腫等が含まれている。アンケートからみて特徴的な事は、口腔と耳下腺部に60 Gyの外照射が行われた患者にとっては、パンをのみこみづらいとの項目が多く認められた。舌癌では外部照射がおこなわれていない症例ではこの項目についてはほとんど否定的な回答はなかった。経済的な変化についてはあまり大きな変化を認めていない人が多く認められた。これは予想外の結果である。さらにアンケートの症例を重ねると同時に、より細かな治療法、年齢との関係等についても検討を重ね、放射線治療前後の生活と心理状態を検討し、より良い治療法と治療後の管理方法を見い出す予定である。
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