研究概要 |
我々は、舌扁平上上皮癌細胞株SCC-HOSOを樹立し、カルシウム代謝に関する研究を行っている。今回カルシウムとアポートシスとの関係を検索すべく研究を行った。 (1) SCC-HOSOに発現する癌遺伝子・癌抑制遺伝子について解析した。 SCC-HOSOにおいては、p53のミュテーションが検出されたが、c-mycの発現はみられなかった。 (2) SCC-HOSOは副甲状腺関連蛋白(PTHrP)を高率に産出しておりプロスタグランディンE2によりSCC-HOSOからの副甲状腺関連蛋白mRNAの産生は促進された。SCC-HOSOは4つのサブタイプが知られているプロスタグランディンE2受容体のうちEP2mRNAのみを発現しており、培養液中にプロスタグランディンE2を添加することのよりSCC-HOSO細胞内のcAMPは上昇したことにより、EP2受容体は発現されていると考えられた。 (3) プロスタグランディンE2や副甲状腺関連蛋白によりSCC-HOSOのアポトーシスは、影響を受けなかった。また、同じく舌扁平上皮癌細胞株である、SQIS,SQFKにおいても、プロスタグランディンE2や副甲状腺関連蛋白によるアポトーシスの促進は見られなかった。
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