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1997 年度 実績報告書

歯科用デジタル画像診断システムの最適化のための国際標準ファントムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09671923
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

吉浦 一紀  九州大学, 歯学部, 講師 (20210643)

研究分担者 徳森 謙二  九州大学, 歯学部, 助手 (40253463)
田中 武昌  九州大学, 歯学部, 助手 (30163538)
河津 俊幸  九州大学, 歯学部, 助手 (20294960)
キーワード標準ファントム / 歯科用デジタル画像 / 診断能 / 検出能
研究概要

本研究においては、従来のフィルム法とデジタル画像診断システムとの画像特性および診断能の相違を明らかにすることができ、さらに、デジタル画像診断システムにおける最適撮影条件を決定することができる国際標準ファントムを作成することを目的とし、今年度以下のことを確認した。
1.ファントムの試作およびフィルムにおける最適撮影条件の決定
試作ファントムは、厚さを1mmずつ増加させた12段のアルミニュームステップに、1個の0.05mmずつ深さが増加するホールを形成したもので、軟組織に相当する散乱体としての12mm厚のアクリル板と一緒に撮影した。撮影に際しては、臨床の撮影条件にできるだけ近似させ、コーンの先端からフィルムあるいはセンサー表面までの距離を5cmとし(通常FSD25cmに相当)、当該歯科用X線撮影装置で設定できる最小照射線量から最大線量まで連続的に照射時間を変化させ、画像を作成した。ホールの描出数の最大の照射時間を適正照射条件とすると、ほぼ上顎大臼歯の撮影条件に相当し、またその濃度範囲もほぼ臨床の診断領域にて用いられるX線画像の濃度範囲に相当した。従って、本ファントムは生体のX線吸収係数に比較的近い特性を有し、ここで観察されるホール数がほぼ画像情報量を反映していると考えられた。
2.ステップおよび模擬病変の調整
ファントムの濃度範囲はほぼ満足するものであったが、そのアルミ当量は従来より報告されている生体組織のそれよりも、若干小さかった。また、ステップの厚い部分でホールが全く観察できなくなるという欠点があった。前者については、散乱線の寄与率が生体と異なることが考えられ、厚さを変化させずに、その体積を増加させることにより改善を計った。後者については、模擬病変の深さが不足していることが原因であったので、その深さを調整した。その結果、両者共に改善が見られ、国際標準ファントムとして必要条件はほぼ満たされたと思われた。従って次年度は、この改良ファントムを用いることにより、フィルムおよびデジタルシステムの最適撮影条件を決定し、両者の画質を定量的に比較する。また、模擬病変の検出能と実際の診断能の関連についても検討する予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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