研究課題/領域番号 |
09671925
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 武昌 九州大学, 歯学部, 助手 (30163538)
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研究分担者 |
河津 俊幸 九州大学, 歯学部, 助手 (20294960)
田畑 修 九州大学, 歯学部, 講師 (50150470)
豊福 不可依 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10117179)
徳森 謙二 九州大学, 歯学部, 助手 (40253463)
吉浦 一紀 九州大学, 歯学部, 講師 (20210643)
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キーワード | fuzzy reasoning / computer-assisted diagnosis / fuzzy c-means clustering / digital image / digital dental imaging system |
研究概要 |
Digital dental imaging system(DDIS)の画質を向上させるために画像の濃度補正をファジィ推論とファジィc-means(FCM)クラスタリングにより行い、画質の最適化を図るアルゴリズムを検討した。また、その方法により照射時間がどれだけ短縮できるかを検討し、被曝線量の軽減がどの程度可能かを考察した。 今回検討したDDIS画像はモリタ製作所製Dixelによるものであり、その画像サイズは600×400ピクセル、濃度分解能は256階調である。まず、軟組織等価物質に埋入した乾燥下顎骨をファントームとしてその臼歯部を撮影した。DixelのX線撮影装置は管電圧と管電流が一定(公称値59.8kV、10mA)であるため照射時間を変化させて、推奨条件(0.18秒)より最小照射条件(0.03秒)まで撮影した。また、各条件ごとに頬部の線量も測定した。次に上記の画像を30×20の領域に分割した後にファジィc-meansクラスタリング(クラスタ数は3)を行い、各クラスタ中央値を求めた。なお、推奨条件で撮影した画像データのクラスタ値を標準値とした。そして、各画像のクラスタ中心値と標準値との差より濃度補正時の最低ピクセル値、中央ピクセル値、及び最高ピクセル値を導く方法をファジィ推論を行い、出力された値を元にサンプル画像の濃度補正を行った。また、同様の濃度補正を上記と同条件で撮影したアルミステップ(1〜10mm)のDixel画像に対しても行った。そして、標準クラスタ値相当領域のノイズの変化を計測し、臨床的に許容できる限界を検討した。その結果、メーカー推奨値(照射時間0.18秒)での撮影時の患者の被曝線量は1.52mGyであった。そして、照射時間の減少とともに線量は低下したが、同時に濃度補正後のノイズ成分も増加していった。そして、ノイズ成分の限界に相当する照射時間は0.12秒であり、その時の線量は0.65mGyであった。従って、今回の方法による被曝線量の軽減は38.3%となった。
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