研究概要 |
1. 歯科口内法X線撮影および回転パノラマX線撮影とその診断をデジタル化する実用的な画像システムには、8ビットを超える高次量子化によるアナログ・デジタル変換が採用されるようになった。しかし,一般的なパソコンで表示できる階調は8ビットであるので,ビットを落とすアルゴリズムが適切でないと使いにくいシステムになってしまう可能性がある。しかし,濃度補償機能等の様々なデジタル画像処理を有効に働かせることもできるはずである。そこで前年度に引き続いて,このようなソフトウエアの特徴について,口内法X線撮影用のシステムを中心に7機種を用いて検討した。 2. 今年度は,イメージングプレートを利用して上記2種類の撮影をデジタル化するシステムを使用した。16ビットでデジタル化するシステムであるので,それを8ビットデータに適切に落とすためのアルゴリズムARC(Automatic Range Control)がある。この機能を医科用のFCR(Fuji Computed Radiography)で用いられているアルゴリズムと比較して検討した。特に回転パノラマ撮影では撮影モードによって照射野が変化するので,その照射野を検出する適切なプロセスがアルゴリズムの前段階において必要であることを明らかにした。 3. 初期設定条件のまま,自動的にすべての撮影モードにおいて見やすく好まれる画像を提供するために,照射線量とグレイ値の対数的関係あるいはイコライズ機能を組み合わせた画像処理が使われる場合がある。照射線量のある程度の範囲内で容認できる濃度とコントラストを有する画像が即時に得られることは、システムの使いやすさを決める重要な要素である。今年度は半導体センサーを用いる回転パノラマ撮影用のデジタルシステムを用いて,この働きをするソフトウエアの特徴を検討した。
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