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1998 年度 実績報告書

歯髄炎に関わる血流と神経機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09671944
研究機関東北大学

研究代表者

笹野 高嗣  東北大学, 歯学部, 教授 (10125560)

研究分担者 庄司 憲明  東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (70250800)
佐藤 しづ子  東北大学, 歯学部, 助手 (60225274)
キーワード歯髄血流 / 歯髄炎 / 感覚神経 / 交感神経 / 副交感神経 / 神経原性炎症 / 逆伝導性血管拡張 / basal blood flow
研究概要

1. 歯髄は、神経および血管に富む組織であり、この両者は密接に関係している。他の組織に比較して感覚神経が密な歯髄では、substance Pなどの神経伝達物質の放出により、感覚神経由来の逆伝導性血管拡張が起きやすい。周囲を硬組織で囲まれた閉鎖系の歯髄では、このような血管拡張は、歯髄内圧を高め、静脈血の流出を妨げる結果、循環障害をもたらす。また、歯髄には、交感神経α作用による血管収縮が存在するが、β作用による血管拡張は存在しない。一方、副交感神経による血管拡張は、口腔・顔面領域の多くの組織に存在するが、歯髄では副交感神経性血管拡張が欠落しており、このことは歯髄血流の神経性調節機構を議論する上で、大きな特徴である。歯髄の基調血流(basal blood flow)は、歯髄血流の増減を決定する因子として重要である。すなわち、基調血流が高いときには、減少反応が優位であり、基調血流が低いときには、増加反応が優位である。
2. 歯髄血流を指標とした新しい歯髄の生死診断法を考案した。この方法は、レーザー光を歯の表面から送光し、反対側から受光するもので、赤血球の運動によるドプラー効果を利用したものである。この方法は、歯髄のvitalityそのものを診断するもので、従来の電気診や温度診のように歯髄のsensitivityを診査するものではなく、患者に痛みを与えない、より客観的な診断法として期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sasano T et al.: "Possible application of transmitted laser light to the assessment of human pulp vitality" Journal of Endodoutics and Traumatology. 13(2). 88-91 (1997)

  • [文献書誌] 笹野高嗣: "歯髄血流の神経性調節機構と歯髄診断" 東北大学歯学会誌. 17(1). 1-21 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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