研究課題/領域番号 |
09671945
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野口 和行 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90218298)
|
研究分担者 |
千葉 寛 千葉大学, 薬学部, 教授 (40159033)
北田 光一 千葉大学, 医学部, 教授 (90110345)
柳下 正樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70132793)
|
キーワード | 歯肉線維芽細胞 / プロテオグリカン / インターロイキン-4 / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン / ヘパラン硫酸プロテオグリカン |
研究概要 |
健康歯肉を有する被検者より歯肉を採取し、outgrouth法により歯肉線維芽細胞(HGF)を得た。HGFを^3H-glycosaminoglycanおよび^<35>S-sulphateを添加のもとで培養し、培養上清および細胞画分におけるプロテオグリカン産生を標識物質の取り込み、あるいはFPLCにより調べた。その結果、プロテオグリカン産生は無刺激下でも時間依存性に増加した。この産生されたプロテオグリカンはコンドロイチナーゼABCおよびヘパリチナーゼによる分解による分解率を解析した結果から、培養上清中では、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)とヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)の産生比率(CS/HS比)は2.5であり、細胞画分では0.7であった。次にTh2サイトカインであるインターロイキン-4(IL-4)のプロテオグリカン産生の影響を検討した。HGFは抗IL-4レセプター抗体を用いて免疫染色により、IL-4レセプターを有していることが示された。プロテオグリカン産生への影響に関しては、濃度依存性にプロテオグリカン産生を亢進した。CS/HS比は培養上生中で2.2であり、細胞画分では1.1であり、コントロールと幾分違いが認められた。これらのことより、IL-4はIL-4レセプターを介してプロテオグリカン産生を調節していると考えられる。IL-4の歯根膜細胞への影響を検討中、IL-4はプロスタグランジン産生を抑制することが明らかとなった。そこでIL-4によるHGFのプロテオグリカン産生調節がプロスタグランジンによるものであるかどうかを検討したところ、プロスタグランジンはHGFのプロテオグリカン産生に影響を与えなかった。HSPGは塩基性FGF等のサイトカインの作用調節機構に関与しているとされ、さらに歯周病変部及び歯肉増殖におけるプロテオグリカンの役割を検討する予定である。
|