研究概要 |
1.東京医科歯科大学歯学部附属病院に来院したニフェジピン性歯肉肥大患者responder群12名ならびに歯肉肥大の認められないnon-responder群4名について、ニフェジピン服用6時間後に血液を採取し、高速液体クロマトグラフィーで血中ニフェジピン濃度を測定した。その結果、GHIと血中ニフェジピン濃度に正の相関を示す傾向がみられたが、有意ではなかった。 2.responder群および健常者群の歯肉組織からoutgrowth法により得られた歯肉線維芽細胞を用いて、ニフェジピンならびに代謝産物を添加し、プロテオグリカン産生量を比較した。responder群の歯肉線維芽細胞においては、ニフェジピン添加により、濃度依存性にプロテオグリカン産生量が増加した。健常者群の歯肉線維芽細胞では濃度依存性にプロテオグリカン産生量が減少した。ニフェジピン代謝産物によっても同様の傾向が認められた。 3.健常者由来培養歯肉線維芽細胞を用いて、P.gingivalisおよびA.actinomycetemcomitansのLPSのプロテオグリカン産生能への影響を検討したが、プロテオグリカン産生に有意な変化を及ぼさなかった。 4.健常者由来培養歯肉線維芽細胞を用いて、各種サイトカイン(IL-4,IL-13,IFN-gamma,TNFalpha)のプロテオグリカン産生への影響を検討した。IL-4とIL-13はそれぞれ総プロテオグリカン産生を有意に増加したが、FN-gammaは減少させた。TNFalphaは培養上清中では増加させたが、細胞画分では減少させた。IL-4とTNFalpha、あるいはIL-13とTNFalphaを同時に添加すると培養上清中では相乗的に、細胞画分ではわずかに増加させた。
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