【研究実績の概要】 1.ラット延髄孤束核のニューロンをホールセルパッチし、高張、低張の人工脳脊髄灌流液に切り換えて、あるいは電極ピペットから細胞体に陰圧あるいは陽圧を加え、放電頻度、膜電位、膜抵抗の変化について記録した。さらに、灌流液にSAcation channel blockerのGdC13や、Clchannel blockerのSITSを加え応答の変化を記録した。 2.三叉神経脊髄路核尾側部を微少刺激電極で電気刺激し、同じスライス上でパッチした孤束核から誘発電流を記録した。さらに、灌流液に5-HTを加えて誘発電流の変化について調べた。 3.これらの結果から、 (1)延髄孤束核の浸透圧受容性ニューロンは段階的な機械的変形に応答するstretch activated及びstretch inactivated ion channelを持つことが示唆された。 (2)高張の細胞外液で、膜が萎縮するときSA cation channelの開確率が上昇している可能性が示唆された。 (3)低張の細胞外液で、膜が膨潤するとき、SA Cl channelが関与している可能性が示唆された。 (4)尾側部孤束核は、三叉神経脊髄路核尾側部からの線維入力を受けていることがわかった。 (5)三叉神経脊髄路核尾側部から孤束核へ入力するシナプスの神経伝達物質は、5-HTである可能性が示唆された。
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