研究課題/領域番号 |
09671956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉山 昌宏 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10201071)
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研究分担者 |
菅 俊行 徳島大学, 歯学部, 助手 (60243713)
糸田川 徳則 徳島大学, 歯学部, 助手 (70232494)
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キーワード | 象牙質 / 歯髄象牙質複合体 / レジン浸透性 / 樹脂含浸層 / 接着性レジン |
研究概要 |
レジン接着に及ぼす象牙質歯髄複合体の病態生理の影響の解析を目的として、ヒトと歯牙構造が類似しているビ-グル犬の犬歯および大臼歯を用いて、抜歯前(in vivo)および抜歯後(in vitro)に咬合面牙質窩洞を形成しセルフエッチングレジンを充填し、微小引っ張り試験法(MTS法)を用いてinvivo(直後、3週後、3ヶ月後)およびin vitroにおけるレジンの接着力を測定するとともに接着界面の微細形態をSEMおよびTEMを用いて観察した。 in vitroにおいてインパーバフルオロボンド(FB)およびクリアフィルライナーボンドII(LB)のビ-グル犬の犬歯(C)および大臼歯(M)の象牙質への接着力をMTS法を用いて測定した結果、両システムとも30MPa以上の高い値を示し、特にFBのC象牙質への接着力は45MPaと最高値を示した。これに対して、in vivoでは両システムとも接着力が低下し、3週間後ではFBおよびLBのM象牙質への接着力は15MPaと直後に比べて有意に低下した。3ヶ月後においても同様の傾向を示し、両システムの接着力は17-23MPaとin vitroと比較して極めて低い値であった。 次いでin vitroでの接着界面を微細形態学的に観察した結果、FBおよびLBともに約1μmの厚さの樹脂含浸層を形成するとともに、健全象牙質にも浸透していることが確かめられた。これに対して、in vivoとくに3ヶ月後においては接着界面にギャップが部分的に生じており健全象牙質への浸透も明確ではなかった。またレジンタグは象牙細管内圧の存在のためほとんど形成されていなかった。 以上の結果から、レジン接着の口腔内長期接着性は咬合圧および歯髄内圧の影響により大きく阻害されることが示唆された。
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