研究課題/領域番号 |
09671969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
石井 信之 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20163610)
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研究分担者 |
南田 厳司 神奈川歯科大学, 歯学部, 手 (70288083)
角田 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70236933)
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キーワード | 破骨細胞 / ビスフォスフォネート / アポトーシス |
研究概要 |
本研究では第三世代のBPsを歯科保存領域の骨吸収を伴う歯科疾患の治療に使用することを目的として、第三世代BPsであるcimadronate(山之内製薬より恵与)の破骨細胞形成に及ぼす影響をin vitroの破骨細胞形成実験系を用いて検討した。 【材料および方法】1)破骨細胞形成に及ぼす影響;破骨細胞の誘導は、MC3T3-G2/PA6細胞上マウス骨髄細胞を播種し、αMEM中で共存培養することにより行った。共存培養開始後に0.05〜500μM濃度のcimadronateを添加後、位相差顕微鏡で細胞を観察後、TRAP染色により破骨細胞を同定して各実験群の破骨細胞数を算定した。2)骨芽細胞に及ぼす影響;MC3T3-E1細胞に0.05〜500μM濃度のcimadronateを添加し、24時間後に浮遊細胞を除去後、付着細胞をEDTA-trypsin液で処理後、生細胞数を測定し、cimadronateの骨芽細胞に及ぼす影響を検討した。3)骨吸収抑制作用の検討;cimadronateで前処理した象牙切片上でMC3T3-G2/PA6細胞とマウス骨髄細胞の共培養を行い、生じる吸収窩の面積をcimadronate未処理群と比較することにより骨吸収抑制効果を検討した4)破骨細胞のアポトーシス発現;MC3T3-G2/PA6細胞とマウス骨髄細胞の共存培養開始後にcimadronateを添加し、培養終了後、TUNEL法により細胞内DNA fragmentを検出し、アポトーシス陽性破骨細胞を確認した。【結果および考察】cimadronateは、50μM濃度以上でMC3T3-G2/PA6に細胞傷害性を示し破骨細胞の形成と骨吸収を完全に抑制し、5μM濃度では破骨細胞の形成および骨吸収を1/2以下に減少させた。一方、骨芽細胞に対する影響は、5μM濃度以下で細胞傷害は全く認められないが、50μM濃度以上では細胞傷害性が認められた。なお、cimadronateを添加した破骨細胞においては、TUNEL陽性所見が確認された。以上の結果から5μM濃度cimadronateを使用することにより破骨細胞形成を選択的に抑制することが示された。
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