研究概要 |
1.申請者らが過去に合成に成功し,その性能を明らかにしたCF_3C_9F_<18>C_2H_4Si(OCH_3)_3(以下10F2S-3Mと略す)と同等な低エネルギー状態を改質表面に与え,反応速度が極めて速い,CF_3C_9F_<18>C_2H_4Si(NCO)_3(以下10F2S-3Iと略す)の回収率の高い新規合成法を確立することに成功し,核磁気共鳴にてその構造とほぼ単一標品であることを確認した. 2.標準試料としてガラスを用いた場合,その表面改質に必要な10F2S-3Iの有効濃度および反応時間を検討した結果,10F2S-3Mと同様な撥水・撥油性を発揮するのに要する濃度を1/20に,また,反応時間を1.5分に減ずることができ,臨床応用により近づけることができた. 3.CF_3C_9F_<18>C_2H_4Si(NCO)_3の他にもCF_3C_9F_<18>C_2H_4Si(OC_2H_5)_3の合成にも成功した. 4.歯質に適応する10F2S-3Iの標準的な濃度と改質時間を決定するため,ハイドロキシアパタイトを用いた実験は,10F2S-3Iのより効率的な(回収率の高い)合成法の確立に時間を要したため予定より遅延し,現在進行中である. 以上の研究成果は日本油化学会誌,J.Biomater.Sci.,Polymer Edn.,Reactive & Functional Polymersに発表した.
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