研究概要 |
平成10年度の研究成果 1. 人工プラーク付着・脱離試験 9年度に合成に成功したCF_3C_9F_<18>C_2H_4Si(NCO)_3(以下10F2S-3Iと略す)にょり改質を行ったコンポジットレジン,ガラスおよびウシエナメル質スラブを用い,in vitroにてS.mutans Ingbritt株を用い人工プラーク付着実験を行った.positive controlとしてはガラスを,また,negative controlとしてはテフロンを用いた3mMの10F2S-3Iで改質したガラス,コンポジットレジンおよびエナメル質表面は人工プラークの脱離が極めて容易であっただけではなく,総付着量も有意に少ないことが確認できた.プラークの定量に当たっては当初^<14>Cおよび^3Hでラベルしたスクロースを用いる予定であったが,パイロットスタディーから,比色定量でも充分可能であることが示されたため,600nmによる比色によりおこなった. 2. 口腔内プラーク付着実験装置による検索 3名のボランティア(医局員)による口腔内プラーク付着実験装置を用いたウシエナメル質スラブに対するin vivoの実験では,明らかにプラーク付着量が少ない,あるいは殆ど付着しないことが示され,10F2S-3Iによる歯面改質が口腔内でもプラーク付着を抑制する事が確認された. 3. 回収率の向上 10F2S-3Iの回収率は現在58%であるため,より効率的な合成法の改良を行う必要がある.以上の研究成果は材料技術,Reactive & Functional Polymers,神奈川歯学,複合材料界面科学で発表した.
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