1.口腔内プラーク付着実験装置による検索と評価の定量化:平成10年度に行った口腔内プラーク付着実験装置による検索をさらに推し進め、エナメルスラブ上に付着したプラークの付着量をより客観的に定量化する試みとして、1)プラークを水酸化ナトリウム溶液に回収し、吸光度を測定する。2)ディスクロージング液にてプラークを染め出し、色彩色差計で計測する の2種測定法を検討した結果、2)が結果的に良好であったため、標記の実験を継続した。 2.ハイドロキシアパタイトの改質能と耐久性の検討:ハイドロキシアパタイトを10F2S-3Iで改質し、FTIRとGPCにて検討した結果、アパタイト表面の前処理にはあまり影響を受けることなく改質できることが判ったが、エナメル質の場合は酸あるいは次亜塩素酸ナトリウムで改質したほうが能率的で、持続性もあることが示された。耐久性はアパタイト粒子を10F2S-3Iおよびオクチル、ドデシルシランで改質し、熱湯による加速耐久性試験を行ったところ、10F2S-3Iは炭化水素系のシランカップリング剤に比べて十分な耐久性があることが判った。 3.10F2S-3Iの回収率の向上:10F2S-3Iの回収率向上は本年度内では十分な成果が得られなかった。 以上の研究成果は日本歯科保存学会、International Conference on Science and Technologies ofAdvanced Polymers 99、材料技術研究協会討論会、材料技術、神奈川歯学、およびIADRで報告した。
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