平成11年度、12年度の組織学的実験において、GKラットとJCLウイスターラットを使用し、実験開始日から屠殺時まで水道水で飼育したJCLラットをJ-1群、30%ショ糖溶液で飼育したJCLラットをJ-2群、水道水で飼育したGKラットをG-1群、30%ショ糖溶液で飼育したGKラットをG-2群とし、10匹ずつ4群に分けた。4群の動物は実験開始日に下顎左側第一臼歯近心咬合面を開放露髄させ、2、4週後に屠殺して下顎骨を摘出し、組織切片を作製した。その組織切片はHE染色を施して組織病理学的及び組織形態計測学的に検索した。その結果、G-2群では術後2、4週において、他群と比較して明らかに炎症は増大し、根尖病変の形成は促進していた。また、細菌学的実験において、GKラットとJCLウイスターラットの感染根管内の偏性嫌気性グラム陰性菌の露髄後2週、4週、6週間後の菌の割合を比較したところ、GKラットの方がわずかに多く検出されたが、JCLウイスターラットに比較して有意な差は認められなかった。
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