研究課題/領域番号 |
09671989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安部倉 仁 広島大学, 歯学部, 助手 (30159454)
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研究分担者 |
松原 繭子 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80294594)
貞森 紳丞 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40187167)
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キーワード | 総義歯 / 咬合高径 / 下顎位感覚 / カンファタブルゾーン / セファロ分析 |
研究概要 |
義歯製作過程において咬合高径の決定は重要な問題であり、種々の方法が提唱されている。その中で、無歯顎患者の下顎位感覚を利用して決定した咬合高径は患者に受け入れられやすい方法であるが、生理学的の適正であるという保証はない。そこで本研究では、無歯顎患者のCZ(Comfortable Zone)の下顎位を、筋電図と咬合力及びセファロ分析による手法を用いて検討することを目的とし、本年度は、これまでに以下の結果を得た。 健常無歯顎者10名のCZとMCP(Most comfortable position)を測定し、下顎安静位や顔貌を参考にする咬合高径決定法などの通法で作製された総義歯の咬合高径との関係を調べた。 10名中8名は使用中の義歯の咬合高径はCZに含まれており、2名はCZより高い咬合高径の義歯を使用していた。 次いで、無歯顎者のMCPと有歯顎時の咬合高径との関係を推察するため、側方セファロ分析により同被検者のMCPの下顎位と打田の報告(1987)による健常若年及び高齢有歯顎者の咬頭嵌合位(ICP)における下顎位の比較を行った。その結果、若年及び高齢有歯顎者に比較して本研究における無歯顎者のMCPは、角度的項目では下顎枝の傾斜度を示すRamus inclination、距離的項目では下顔面高を示すAns-Meに有意な差が存在した。従って、下顎の回転による顔面高の減少、すなわち咬合高径の有意な低下が推察され、下顎の位置感覚に基づいてMCPを決定した場合、MCPは健常有歯顎者の咬頭嵌合位より低い位置に存在すると考えられた。
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