アクリル系義歯床用軟性軟性裏装材の粘弾性的性質と耐久性に関する研究を行うため、平成9年度は、まず光重合型軟性裏装材の試作の前段階として現在市販されているアクリル系軟性裏装材の粘弾性的性質および耐久性について調べることとし、市販軟性裏装材、義歯洗浄剤、市販人工唾液および人工唾液作製用試薬、試料作製用モ-ルドなどを購入した。一方、補助金の交付決定後、主要設備のあらさ測定システムの発注を行い平成9年10月初旬の納入を待ったが、主要装置が特殊仕様であったため約2ヵ月近くその納入が遅れた。しかしながら、現在はこの主要装置の設置、微調製、較正などを済ませ、市販材料について各種水溶液中に浸せきし、かつ、メーカーの支持に従い義歯洗浄剤を用いて洗浄した場合の粘弾性的性質および表面性状の変化を測定し耐久性の検討を進めているところである。現段階では浸せき液による試料表面の劣化が一部観察されるものの、結果については未だ測定の途中でありまとめる段階には至っていない。また、この間に試料の浸せき条件およびデータ解析上での試料収集のために九大に出向いた。平成10年度は、現在進行中の市販材料の測定を平成10年5月までに終了し、それらの結果をもとに試作した光重合型の材料について市販材料と同様の測定を行い、本研究の目的を達成させる予定である。なお、本研究で得られた成果については、平成10年度秋期歯科理工学会学術講演会に発表する予定である。
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