卒後研修の法制化に伴い、歯科の各方面から研修カリキュラムが検討されている。その中で歯科インプラントは、今後の歯科医療にとって必須の分野であり、卒前、卒後を含めた効果的な教育方法の確立が必要である。そこでインプラント術前シミュレーションソフトによるCT画像の解析を行い、症例を通して学部学生、臨床研修医の教育、研修に活用するとともに、臨床診断や患者に対するインフォームドコンセントにも活用することを目的とした「卒後研修におけるインプラント教育に関する研究」に対して科学研究費補助金の交付を受けたので今年度の実績を報告する。 1.インプラント術のシミュレーション画像解析を行うためにコンピューター本体およびシミュレーションソフト、画像解析ソフト、データベースソフト等を導入した。 2.本院では患者の了解を得た上でインプラント術前にCT撮影を施行しているが、患者に対してその三次元構築画像を説明し、さらにシミュレーション画像上で適応の可否や具体的な処置内容を再度説明した。これにより治療方針の概要を理解していただく上で有効と思われた。 3.今年度は8症例分のシミュレーションデータを蓄積した。しかし分類を行うまでには至らなかった。 4.本大学の卒後研修プログラムにおいて、臨床研修医と大学院生を対象としたインプラントに関する研修会を実施した。またスタディグループにおいても研修を行った。 平成10年度はさらにデータを蓄積し、欠損形態別や骨造成の有無による分類を行う。また新たに学部学生も対象に加えて臨床教育を行う。
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