研究概要 |
銀糸無機抗菌剤のS.mutansに対する抗菌性が確認されたことより、試料をコーティングすることで同様の抗菌効果が得られるかを検討した。また歯周疾患の原因菌のーつであるActinomyces viscosusを用いS.mutansと同様の抗菌性の確認をおこなった。 コーティング材(429R,740およびベルフィールブライトナー)の物性 1. 各種コーティング材のユニファーストへの接触角は、429R 37.8度,740 28.9度,ブライトナー27.9度であった。 2. コーティング材の比重は、429Rはl.00,740はl.04,ブライトナーは1.07であった。 3. コーティング試料表面のヌープ硬さ(HK)は、429Rで3.88,740は2.31,ブライトナー13.00であった。 4. NMRスペクトル分析により、ブライトナーはMMAとアクリル酸エステルから構成されていた。 Agの元素強度のマッピング イオンピュアおよびノバロンを練込んだ試料(混入率4%)とブライトナーによりコーティング(混入率4%)した試料表面の元素分析により、練り込みよりもブライトナーでコーティング処理した試料において、より強いAgの元素強度が認められた。 A.viscosusTl4V-SR株に対する抗菌効果 1.イオンピュアおよびノバロンのカップ法によるMICは、それぞれ2.5mg/mlおよび1.3mg/mlであった。 2.イオンピュアおよびノバロンのラップ密着法による検討において、ブライトナーでは429Rや740よりも、低い混入率において抗菌効果が認められた。
|