研究概要 |
パーマロイ合金(その他、鉄酸化物、バイカロイならびにアモルファス合金)キパーに機能圧力を加えたときの磁気的不安定性(ここではジスアコモデーション、透磁率の時間的変化)を物理的に調べ、咬合過程を逆に磁気的に調べる方法を確立することを目的として,実験を行ってきた。上記の目的のためにモデル実験の装置を組み立てた。ただし、単に機械的な一方向的な機能圧力だけではなく、ひねりを加えた場合も特有の信号が検出できることを実験的に確かめた。ひねりが線状試料に加えられた場合、バイカロイ合金で大バルクハウゼン効果(磁化の急激な増加)とその後につずくディスアコモデーション(DA)の観測を試みて期待したような縞果が得られたので系統的に実験を行っている。パーマロイやバイカロイ合金で外部刺激として消磁や機械的なショックまたは絶縁体に低温で光を照射したときの透磁率変化(これは光によって格子欠陥周辺に大きな格子歪みが生ずることが知られ,磁壁の固着化をうながし、ディスアコモデーションと等価な現象であることがわかってきた。)を松原が主として開発した〔透磁率緩和曲線の新しい解析方法)などで検酎をおこなった。ただ現在の実験段階では必ずしも再現性が良くなく、半径5mm長さ1cmのバイカロイ合金ではバルクハウゼン効果によるパルス電圧が100gの加重で約±50%の誤差が生じた。ただディスアコモデーション(DA)の場合は平衡状態に達すると(5分間)(DA)は40%になりその再現性は約±15%になっており、後者が咬合過程の時系列実験により適しているように考えられるが、前者の場合は短時間(秒単位)で測定が可能であるので、利点もあることがわかった。
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