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1998 年度 実績報告書

疲労き裂の検出および停止機構を備えたインテリジェント生体材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09672021
研究機関朝日大学

研究代表者

若松 宣一  朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)

研究分担者 飯島 まゆみ  朝日大学, 歯学部, 助手 (80164838)
キーワードハイドロキシアパタイト / リン酸4カルシウム / 複合材料 / 人工骨 / インテリジェント生体材料 / 焼結
研究概要

材料自身が疲労き裂の進展を検出し,そしてその進展を阻止する能力を示す人工骨の開発を目的として,ハイドロキシアパタイト多結晶体中にリン酸4カルシウム粒子を分散させた,2相系複合材料を設計し゚た。提案したこの複合材料のインテリジェント機能のメカニズムは以下の通りである。その内部を唾液で満たされた疲労き裂が複合材料表面からリン酸4カルシウム・粒子にまで到達した時,そのリン酸4カルシウム粒子は唾液中に溶解し,それからき裂内にハイドロキシアパタイト結晶が析出する。リン酸4カルシウムの溶解とそれに続くハイドロキシアパタイトの析出の結果,疲労き裂の進展は,き裂先端に実際に作用する有効なき裂の駆動力を減少させることで抑制され,それはき裂先端の鈍化やき裂面間のくさび力,架橋力,もしくは摩擦力に基づいている。
本研究では,ハイドロキシアパタイトとリン酸4カルシウムからなる圧粉体の焼結挙動を調べるために,30mol%リン酸4カルシウムを含む圧粉体を,空気中およびCaO粉末中で,1150℃から1350℃,3時間焼結した。焼結した複合材料の嵩密度は,トルエン中でアルキメデス法を用いて決定した。1250℃で3時間焼結した場合,理論密度の96%の最大密度が得られたが,リン酸4カルシウムの添加はハイドロキシアパタイトの焼結を抑制することが分かった。X線回折の結果から,空気中およびCaO粉末中のいずれの雰囲気中でも,1350℃で3時間焼結した複合体では,その表面から深さ約500μmの範囲でリン酸4カルシウムはハイドロキシアパタイトと共存することが分かった。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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