研究課題/領域番号 |
09672022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 助手 (00152877)
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研究分担者 |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 講師 (60076057)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40116067)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 電子スピン共鳴 / 光重合型コンポジットレンジ / 未反応重合二重結合 / フリーラジカル / ポリマーラジカル / ラジカル濃度 |
研究概要 |
未反応二重結合の定量方法は、二次照射によって未反応二重結合から発生するラジカル量を求めることで未反応二重結合量を算定した。歯科用可視光線照射器による照射時間(10〜60秒)では、照射直後(10分後)の未反応二重結合量は、かなり多かった。(70〜30%)。その未反応二重結合量は、経時的に減少する傾向を示し、照射後も重合が進行していることがわかった。また、その減少傾向は、未反応二重結合量が多いほど大きかった。 自然光下での未反応二重結合量減少の経時的変化を調べた結果、かなり速く、2週間後では5%の未反応二重結合量になっていた。コンポジットレジンを歯科用の可視光線照射器で照射した場合、照射する時間が短いとラジカルの発生量はかなり少ないことがわかった。このことから照射時点ではかなり未反応のモノマーが残留していると考えられる。コンポジットレジン中のモノマーの反応率がある一定以上になると、ペンディング二重結合量(溶出しない未反応二重結合)は一定の値を取る。ESR法で得られた未反応二重結合量の40〜60%程度は溶出する未反応二重結合すなわち溶出モノマーであると考えられる。照射後の重合について比較的短時間で測定できるため、未反応二重結合量の詳細な経時的変化を求めることができた。未反応二重結合は、時間の経過とともにかなり減少する。この減少は未反応二重結合量が多いほど大きい。そして、照射時間の長短(10〜60秒)にかかわらず、未反応二重結合量はある一定量に達した後、あまり変化しなくなる。いわいる重合が完了してしまう。この最終的な重合率は使用するモノマーの種類や開始剤系の種類、濃度および照射条件等によって決定されると考えられる。照射後の重合については上述した残留ラジカルによるものとそれから室内の灯りや自然光によるものがある。今回の室内放置での経時的な未反応二重結合量の減少は、自然光等によるもので、その減少進行は速い。最終的な未反応二重結合量は5%以下に低下し、遮光下での残留ラジカルのよる重合率30%前後に比べ非常に少なかった。
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