1)マウスSmad-1遺伝子のクローニング mSmad-1のC末端とN末端に相当する遺伝子配列から21量体のプライマーを設計し、マウス骨髄由来ストローマ細胞ST2より調整したcDNAを鋳型としてPCRを行った。その結果、約1.6kbのcDNAフラグメントが増幅された。このcDNAフラグメンとをサブクローニングし、制限酵素にて切断したところ、既知のmSmad-1と同様の塩基配列を有していることがわかった。 2)マウスSmad-1のリン酸化 クローニングしたmSmad-1遺伝子をリポーター遺伝子Flagを持つ蛋白質発現ベクターに挿入し、これをBMPに反応性のあるST2細胞に導入した。この形質転換された細胞に^<32>P-ATPの存在下でOP-1/BMP-7、BMP-2、TGF-βを作用させFlag蛋白質抗体にて免疫沈降したところ52kDa付近にリン酸化されたmSmad-1を認めた。ST2細胞はBMPに反応して骨芽細胞の表現系を発現することから、骨芽細胞の分化においてもSmad-1が情報伝達物質として働いていることが示唆された。しかし、ST2はTGF-βを作用させても骨芽細胞への分化は誘導されないことから、骨芽細胞への分化にはSmad-1による情報伝達以降の経路が重要である可能性がある。
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