• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

唾液腺腫瘍の分化調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09672050
研究機関広島大学

研究代表者

杉山 勝  広島大学, 歯学部, 助教授 (70187681)

研究分担者 石川 武憲  広島大学, 歯学部, 教授 (10049380)
キーワード唾液腺腫瘍 / 分化 / インテグリン / TGF-β
研究概要

我々は、唾液腺腫瘍の分化が、細胞-細胞間、細胞-基質問相互作用により調節されているとの発想に基づき、研究を進めてきた。この観点から、昨年は唾液腺腫瘍におけるインテグリンの発現につき詳細に検討し、以下の結果を得た。すなわち、α2,α3とβ1インテグリンは、正常と3種の腫瘍組織(多形性腺腫、粘表皮癌、腺様嚢胞癌)で、その発現様相に著明な差は見られなかった。一方、α6とβ4インテグリンは、正常、多形性腺腫、粘表皮癌組織では、基底側に局在したのに対し、腺様嚢胞癌では、散在性に発現した。以上の結果から、我々は、α6とβ4インテグリンの発現が、唾液腺腫瘍の分化よりも、腺様嚢胞癌の浸潤性との相関を持つと推察した。本年は、インテグリンの発現や細胞外基質の産生を促進するTGF-βと同レセプターの発現を上記の唾液腺組織で検索した。
粘表皮癌では、TGF-β1、2が検出されなかったのに対し、TGF-β3とTGF-βRI, IIは同様の発現様相を示した。すなわち、程度の差は有るものの殆どの唾液腺上皮細胞が陽性を示した。なかでも類表皮様細胞は他の細胞に比し強染した。一方、粘液産生細胞や明細胞は陰性であった。また、上記の蛋白とmRNAの局在は一致していた。他の唾液腺腫瘍(多形性腺腫と腺様嚢胞癌)においてもほぼ同様で、主に唾液腺上皮細胞に上記の蛋白とmRNAの局在が認められた。
唾液腺培養細胞(腺癌2株と腺様嚢胞癌1株)をTGF-βで処理することにより、細胞膜上のインテグリンの発現が亢進した。

URL: 

公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi