研究課題/領域番号 |
09672053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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研究分担者 |
原田 耕志 徳島大学, 歯学部, 助手 (60253217)
川又 均 徳島大学, 歯学部, 助手 (70224847)
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キーワード | 単純ヘルペスチミジンキナーゼ / 頭頸部癌 / 電気穿孔法 / 遺伝子治療 / EBベクター / GFP |
研究概要 |
単純ヘルペスチミジンキナーゼ(HSV-tk)遺伝子を組み込んだプラスミドベクターを電気穿孔法で頭頸部癌に導入しガンシクロビルにより遺伝子導入細胞を死滅させる遺伝子治療の開発を目的に実験を行っている。まず、HSV-tk遺伝子をプラスミドベクター(pEV3-CAG)に組み込んだ。pEV3-CAGはEBウイルスの特徴を保持しており細胞内に導入された後、宿主細胞の染色体遺伝子にはインテグレイトされないで染色体外遺伝子として、宿主細胞の細胞分裂後も娘細胞に伝搬される。このプラスミドを用いるとトランジエントに発現した遺伝子はそのまま発現し続ける特徴があり、遺伝子導入の効率は極めて高く培養細胞では一般に約80%である。さらにこのプラスミドはGFP(green fluorescent protein)遺伝子を保有しており、組み込まれた目的の蛋白質はGFPとの融合蛋白質として発現するため、目的のクローンは紫外線で励起されると緑の蛍光を発する。pEV3-CAGにHSV-tkを組み込んだプラスミド(pEV3-CAG-HSV-tk)を構築するのと平行して、唾液腺癌細胞であるHSGとTYSにin vitroでpEV3-CAGを導入し遺伝子の導入効率を検定した。その結果、リポフェクチン法および電気穿孔法ともに約70%の細胞に遺伝子導入が可能であった。遺伝子導入細胞を蛍光顕微鏡下で観察すると紫外線で励起された緑の蛍光を発した。トランスフェクタントのin vitroの増殖は親株と変わらず、ヌードマウスでの腫瘍原性の変化も認められなかった。また、ヌードマウス腫瘍も培養細胞同様に蛍光が認められた。今後、pEV3-CAG-HSV-tkをin vivoすなわちヌードマウス腫瘍に電気穿孔法で導入する最も良い条件を設定する必要がある。
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