研究概要 |
昨年に引き続きCDDP封入マグネットリポソームを静注した場合の体内分布を検討した。 CDDP封入マグネットリポソームを作成し,ドンリュウラット尾静脈から静注した。右胸部(右肺および肝上)に外部磁場として円型マグネットを装着した。マグネットの装着は皮膚に密着させ固定した場合と,皮膚直下に埋入した場合の2通りで,それぞれ経時的に肝,腎のプラチナ濃度を測定した。 皮膚に密着させた場合はマグネットを装着しなかった群とほぼ同程度のプラチナ濃度であったが,皮膚直下に埋入した場合はマグネットを装着しなかった群に比べ肝,腎におけるプラチナ濃度は高値を示した。しかしその差はわずかであった。 マグネットリポソームを局注した場合は外部磁場を用いることで局所に長時間CDDPを集積させることが可能であるものの,静注により全身投与を行った場合に外部磁場を用いて局所にCDDPを高濃度で長時間集積させることは今回の実験条件では困難であった。
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